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弊社の方でコンサルティングのお問合せをいただく中で、新規事業や新サービスの立ち上げなどと共に多いのがシステムやWebサイトのリニューアルです。
ただ、リニューアルについて「既存システムやWebサイトの課題点を改修する」というイメージを持たれている場合、自社で考えた内容現状の課題を改善するためのシステム開発やWebサイト構築をすればいいと考えがちです。
そういった場合、リニューアルをする際に弊社のようなコンサルティング会社を入れず、システム会社やWeb制作会社にそのまま発注して納得のいかないリニューアルにならなかった、というのは良く聞くお話です。
そこで、リニューアルにするあたって、どのように考えて要件を決めていけば良いのか、について考えてみたいと思います。
目次
機能追加はリニューアルではない
リニューアルについてのそもそもの勘違いは、リニューアルは既存システムへの機能追加ではない、という点です。
現在運用している既存システムが存在し、そちらを運用する中で不具合が出てきたり、欲しい機能があった際には、既存システムを開発した会社で機能追加をする、というのは一般的です。
システムによっては、それが10年以上にわたって使われているものもあるでしょう。
この既存システムについては、導入当初に想定した業務フローがあり、それに合うようにシステムが作られたために、その当時には最適なシステムであったはずです。
また、機能追加をする際には既存システムありきで行われていると思われますので、基本の業務フローを大きく変える事はありません。
つまり、既存システムは導入当時の業務フローに最適化されたシステムであり、リニューアルを行う現時点での最適な業務フローではない可能性が高いのです。
業務フローのリニューアルも必要となる
これに対し、リニューアルはシステムだけでなく業務フローに対してもリニューアルが求められます。
これは、既存システムが導入された当初と比較すると、必ず会社規模、人員規模、社内体制といった内部的なものだけでなく、ITの進化によりシステム開発やWebサイト構築側でもできる事が大きく変わっています。
そのため、既存システムが導入された当時の業務フローを全く同じように実現する事の方が無駄なことも数多く存在するため、新たに現時点で最適な業務フローとそれに合ったシステムやWebサイトはどういったものが必要なのかを考える必要があるのです。
現状の業務フローを社内で作成してみる
今までのお話から、リニューアルにあたっては、現状システムのリニューアルという観点だけでなく、新たに社内業務フローから見直しをする方が良い、というのはご理解いただけたでしょう。
このお話をすると、次に「ではリニューアルをする際には何から手を付ければいいのでしょうか」というお話が出てきます。
その際に我々の方でお話をしているのが、まずは「現状の業務フローを作ってみましょう」というもの。
業務を細分化して記述する
業務フローといっても、あまり難しく考えなくても大丈夫です。
最初は、既存システムに入力したり、出力したりといったシステムに関係する業務と、その周辺業務を書き出すことからはじめていきます。
次に、その各業務を具体的にどのように処理をしているのかを、細分化していきます。
例えば、クライアントに紙で申込書を書いていただき、営業がその紙を受け取って注文受付をしたものを、営業サポートの人が既存システムに入力している場合。
この場合、出てくる関係者は以下の3人です。
- クライアント
- 営業
- 営業サポート
また、業務としては以下のようにさらに4段階を経てシステムに入力が行われます。
- クライアントが申込書に記入。
- 営業がクライアントから申込書を受け取り。
- 営業から営業サポートに書類が渡される。
- 営業サポートが申込書をシステムに入力。
このように、誰がどういった業務を行うのかを細分化することで今の業務が見えてきます。
業務フローを見直す
業務フローを書いてみたら、次に行うのは業務フローの見直してみます。
上の申し込みフローを「営業」が「タブレット」をクライアントに持って行って、その場で申込書を入力をしてもらうように変えたとしたらどうでしょうか?
その場合、1からいきなり4まで一気に業務がつながって処理のスピードアップが図れ、さらにデータ入力を行う営業サポートの人員も不要になります。
これは、非常にわかりやすく顕著な例ですが、リニューアルにあたって業務フローを作成してみると、このように様々な無駄が見えてきます。
コンサルティングで形を整える
我々がコンサルティングを行う場合にも、このように既存システムの分析を行うと同時に、現状の業務フローを分析する事からスタートします。
そこから、クライアントが求めるゴールを実現するためにはどのようにリニューアルを行うべきか、必要な要件は何かを洗い出していきます。
しかし、そのためにはクライアント自身が自分たちの業務フローをドキュメント化して理解し、さらに細分化を行って、どこに無駄があるのかを理解する事が大変重要です。
我々の方だけでヒアリングやグループインタビューなどを行って業務分析を行い、業務フローを作成して課題点を明らかにする事はもちろん可能です。
しかし、クライアント自身に業務フローに対する課題感が無ければ、暗黙知に埋もれた業務フローがなかなか可視化されず、最適な形でのリニューアルが難しくなってしまいます。
そのため、クライアント自身が現状を把握するというのが、最適なリニューアルの近道です。
まずはリニューアルを検討する際には、一度現状の業務フローを作成してみてはいかがでしょうか?
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