KPMGジャパンがECサイトでの取引回数、購買までのプロセス、購入までの平均時間などの調査レポートを公表

公開日: 2017/05/22
カテゴリー: EC
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

2017年5月9日にKPMGジャパンが、KPMGインターナショナルが実施した『The truth about online consumers』調査の日本語版である『オンラインショッピングにおける消費者行動の実態』を公開しました。

この調査では、Intuit Researchの協力のもと、世界51ヵ国、18,430人の消費者を対象とした調査をもとに、オンラインショッピングに対する認識や購買行動を、地域、商品カテゴリー、購買プロセスの段階、世代(ミレニアル世代:1982年~2001年生まれ・ジェネレーションX世代:1966年~1981年生まれ・ベビーブーム世代:1946年~1965年生まれ)別に分析し、消費材・小売企業がターゲットにするさまざまな顧客セグメントの独自性をKPMGによる考察も交えて解説されています。

「オンラインショッピングにおける消費者行動の実態」に関する調査結果について
ダウンロードPDF(1.6MB)

消費者行動と国別の違い

このレポートで特に注目すべきポイントは、消費者の実店舗での行動、購入までにかかる時間、各国別の決済手段の違いでしょう。

世代間での違い

全回答者のオンラインでの年間平均購入回数は17回で、月間平均取引数は1.25回。

X世代(1966年~1981年生まれ)、ミレニアル世代(1982年~2001年生まれ)、ベビーブーム世代(1946年~1965年生まれ)に分けて見た場合、X世代が一番ECサイトの利用を行っており、一回あたりの購入額ではベビーブーム世代が一番多くなっています。

また、男性の方が女性よりオンラインの購買額が多い、という結果になっています。

オンライン取引回数の平均値と1回あたりの平均購買額

オンライン取引回数の平均値と1回あたりの平均購買額

また、世代別でみるとX世代(1966年~1981年生まれ)は、過去1年間で最も多くのオンラインで取引を行っており(平均18.6回)、最も若くテクノロジーに精通したミレニアル世代(1982年~2001年生まれ)より約20%も多くオンラインショッピングを行っているという結果が出ています。
また、年齢の高いベビーブーム世代(1946年~1965年生まれ)が、他の世代よりもオンラインショッピングに消極的であると考えられていましたが、実際にはミレニアル世代(平均15.6回)と同程度の頻度(平均15.1回)でオンラインショッピングを行っていることが判明しました。さらに、ベビーブーム世代は、1回の注文あたり、他の世代より多くのお金をオンラインショッピングに使うということが明らかになりました(ベビーブーム世代: $203/回、X世代は$190/回、ミレニアル世代:$173/回)。今後ミレニアル世代の年齢が成熟するとともに購入金額は多くなると考えられています。

商品カテゴリー

地域別のオンライン売れ筋商品(弊社で編集)

地域別のオンライン売れ筋商品(弊社で編集)

地域別のオンライン売れ筋商品は、大半の国でメディア、電子機器、衣料品が5位以内に入っています。

海外からのオンライン購入(越境EC)

海外からのオンライン購入-地域別割合

海外からのオンライン購入-地域別割合

海外からのオンライン購入(越境EC)においては、北米や西欧、アジアでは低く、アフリカ及び中東、東欧及びロシア、中南米が高くなっています。

また、アジアは全体としては低くなっていますが、国別で見た場合には香港が31%、シンガポールが43%、ベトナムが55%は高くなっており、インドネシア、日本、インドなど、その他のアジアの国は12%以下、中国は20%となっています。

オンライン小売企業からの購入

直近の購入先

直近の購入先

オンライン小売企業からの購入が世界的にも広がっており、中国とインドでは80%以上、日本で69%、イタリアで68%、南アフリカで65%となっています。

実店舗での行動

消費者の2/3以上が実店舗にいる間に、スマートフォンで商品について調べたと言っており、特にシンガポールで83%、ブラジルで79%、中・東欧で78%、米国で77%となっています。

また、買い物に出かけている間にオンライン検索を行った主な理由は価格の比較であり、次いで多かったのが商品情報の検索とオンラインレビューのチェック。

購入前に消費者が商品を見たチャネル

購入前に消費者が商品を見たチャネル

商品認知の最初の情報源としては、30%がオンラインショップで、オンライン広告は15%、同時に22%が実店舗と回答しており、マルチチャネル、オムニチャネルでの対応が重要という事がわかります。

購入までにかかる時間

商品カテゴリー別および価格別に分類した購買までにかかる時間

商品カテゴリー別および価格別に分類した購買までにかかる時間

ECサイトで商品を見つけてから購入までにかかる時間は、購入される商品のタイプと価格との相関が高くなっています。

商品のタイプで見ると、食品は、即日が47%、1週間未満が37%、1~2週間が9%、2~4週間が4%、1~3ヶ月が2%、3か月超が1%と短くなっていて、逆に電子機器は、即日が17%、1週間未満が41%、1~2週間が21%、2~4週間が11%、1~3ヶ月が6%、3か月超が4%と長くなっています。

価格でみた場合、100ドル未満の商品は、即日が36%、1週間未満が41%、1~2週間が14%、2~4週間が5%、1~3ヶ月が3%、3か月超が1%と短くなっており、500ドル以上の商品は、即日が20%、1週間未満が34%、1~2週間が21%、2~4週間が14%、1~3ヶ月が8%、3か月超が3%と長くなる傾向がありますが、贅沢品の70%は一週間以内に購入が行われています。

衝動買いカテゴリーと購入サイクルの長いカテゴリーの比較

衝動買いカテゴリーと購入サイクルの長いカテゴリーの比較

また、衝動買いが多いカテゴリーの商品としては、食品や食料雑貨、ビールなどの消耗品が多く、購入サイクルの長いカテゴリーの商品は、高価格の商品や購入頻度の低い商品が対象となっています。

決済手段

利用されている支払い方法の割合-地域別

利用されている支払い方法の割合-地域別

利用されている支払い方法の割合を見ると、クレジットがもっとも普及している支払い方法ではありますが、ヨーロッパやオーストラリア及びニュージーランドではPaypalもかなり多くなっています。

アジアでは圧倒的にクレジットカードの利用率が高いのですが、中国ではAlipayとWeChatが使われ、インドとロシアはクレジットカードよりも代引きかデビットカードを好んで使われています。

スマートフォン、マルチチャネル、オムニチャネル、越境ECへの対応が重要

このレポートから見えてくるのは、実店舗を持つ企業にとっては、店舗でのスマートフォン検索に対応するために、スマートフォン対応、マルチチャネル対応、オムニチャネル対応に力を入れる必要があり、実店舗でECサイトを持っていない企業は早急にサイトを構築する必要がある、という事です。

オンライン小売業からの購入が世界的にも広がっているため、それに対抗をしていく事も必要ですし、消耗品を販売している企業にとっては、消費者の衝動買いに対応するECサイトを構築する必要があります。

また、越境ECを行っている企業の場合には、アフリカ及び中東、東欧及びロシア、中南米、ベトナムで海外からの購入意欲が多いため、そちらに力を入れるのを検討する事と、国別でメインとする決済手段が大きく異なりますので、国別でECサイトの決済トランザクション処理の重み付けを変える必要があるでしょう。

タグ: , , , , , , , , , ,