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IT戦略を立案して実運用に入っても、時々は立てた戦略を一歩離れてみたり、評価をする事は大変重要です。
実運用に入ると、日常業務に飲み込まれてしまって、特別な変化がない限り決められた作業以外をしなくなってしまうという事が起きがちですが、そうなるとせっかくのIT戦略の通りに実施施策が上手くいかなくなってしまいます。
弊社で行っているWebサイトの問題点を明らかにする「デジタル・マーケティング・オーディット」では、新鮮な視点からWebサイトにアプローチをする機会を与え、戦略と方向性に新たな命を吹き込み、より効果的な施策を発見できます。
また、「Webマーケティング・オーディット」は、「デジタル・マーケティング・オーディット」の中から、流入・コンテンツ・コンバージョンというWebサイトの運用に関わる部分の監査を行うことで、SEO/SEM/コンテンツ運用という部分での最適化を行えます。
しかし、どういった項目をどのように評価するかが理解していれば、自分達で「オーディット(監査)」を行う「セルフ・オーディット(自己監査)」を実施する事は可能です。
Webサイトの「セルフ・オーディット(自己監査)」を実施するためにはいくつか方法がありますが、今回は簡単にできるチェックリストを公開します。
目次
「セルフ・オーディット(自己監査)」を行う前に
「セルフ・オーディット(自己監査)」を行う前に、決めておかないといけないことがあります。
それは、「セルフ・オーディット(自己監査)」の結果をどのように評価し、その後どのように実施施策に落とし込むかということです。
我々が「デジタル・マーケティング・オーディット」を実施する際には、評点を付けてレポートを出す事が多くありますが、公平な視点で評価を行う事は、自社で実施する場合にはなかなか難しいものがあります。
そこで、「セルフ・オーディット(自己監査)」の場合には、「優先順位を付ける」ということと「実施しやすさの順位を付ける」といった二つの視点で評価を行うと、「セルフ・オーディット(自己監査)」を行った後の実施施策に反映する際に大変便利です。
これにより、優先順位が高い施策だけでなく、大きなインパクトはないが簡単に実施できるものを見つけることができますので、「セルフ・オーディット(自己監査)を実施したけど、何から取り組めばいいのか」という事態を避けることができます。
事前準備
「セルフ・オーディット(自己監査)」は、公平な視点で自社のIT戦略を評価するものですので、できる限り客観的なデータを取得して行う必要があります。
そのため、以下の用意をまずは行ってください。
用意する設定
- Google Analyticsの設定
- Googelウェブマスターツールの設定
- Google Adwords等のSEMで使うアカウント設定
- 各種ソーシャルメディア(SNS)のアカウント設定
- 検索キーワードのランキング等を調査できる各種SEOツール
また、以下の数字を予め用意してください。
用意するデータ
- 過去12ヶ月間のWebサイト解析ツールのデータ
- 過去12ヶ月間に行った施策とそれに対する結果のデータ
評価項目は5つ
今回行うWebサイトの「セルフ・オーディット(自己監査)」では、 Webサイトの全体像を簡単に把握するために、以下の5つの項目に絞って見ていきます。
- ストラテジー
- リーチ
- アーキテクチャー
- コンテンツ
- ゴール
ストラテジー
Webサイトにアクセスするユーザーは、検索エンジン、ソーシャルメディア、広告等のいずれから来るにしても必ず何らかの目的を持ってやってきます。
それは、「情報が欲しい」というものから「商品を買いたい」というものまで、様々なレベルのものがありますが、その中のターゲットとするユーザーが求めるものに対して、Webサイトは明確になんらかの答えを返す必要があります。
そのためには、現時点で取っている戦略がどういうものであり、どんな市場のどんなユーザーに対してどのようなものをWebサイトで提供しているかを再確認するために、「セルフ・オーディット(自己監査)」を行い際には以下の質問に明確に答えられるようにして置かなければなりません。
- 一文でWebサイト(又はサービス)の内容をまとめることはできますか?
- Webサイト(又はサービス)一番の「売り」は何ですか?
- ターゲットとする市場はどこですか?
- ターゲットとするユーザーは誰ですか?
- どういったキーワードでユーザーに辿り着いて欲しいですか?
- 何がどのように起こればコンバージョンに至ったと判断しますか?
- 現在の流入数等に対するコンバージョン率はいくらですか?
- 現在、どのようなマーケティング施策を何を実現するために実行していますか?
- SEMの集客で期待するゴールとは何ですか?
- 広告の集客で期待するゴールとは何ですか?
- ソーシャルメディアで得られるゴールとは何ですか?
リーチ
どんなに素晴らしいWebサイトであっても、誰もこないWebサイトには全く意味がありませんし、関係のないユーザーを集めても成果が上がりません。
そのために、Webサイト構築時に設定したターゲット市場のユーザーを集められているかどうかが重要になります。
- 検索エンジンで、Webサイト名、ブランド名、企業名で検索順位の1位表示が出来ていますか?
- 辿り着いて欲しいキーワードで検索順位の上位表示が出来ていますか?
- 検索エンジンにページのインデックスは登録されていますか?
- ユニークなキーワードが各ページと一致して用意されていますか?
- SEMで辿り着いて欲しいキーワードで検索順位の上位表示が出来ていますか?
- SEMで除外キーワードは適切に使われていますか?
- 各広告は文法的に正しく書かれていますか?
- 各広告はコンバージョンへの明確な呼びかけを含んでいますか?
- どのくらいの頻度で見直しや新たな広告・コピーのテストしていますか?
- ソーシャル・メディアの各アカウントは用意されていますか?
- Webサイトには各ソーシャル・メディア・アカウントへのリンクがありますか?
- 各ソーシャル・メディア・アカウント間にリンクが貼られていますか?
- ソーシャル・メディア・アカウントからWebサイトに流入は起こっていますか?
- 各ソーシャル・メディア・アカウントでユーザーが好んでいるものは何ですか?
- 各ソーシャル・メディアでどのようにエンゲージメントを取るようにしていますか?
- ソーシャルメディアでの成果指標を持っていますか?
- 「ソーシャルメディア・ポリシー」を持って運用していますか?
アーキテクチャー
今やスマートフォンからのWebサイトへのアクセスは急速に増加しており、WebサイトによってはPCを大きく上回る状況も生まれているため、ユーザーの利便性を上げるためにスマートフォンへの表示対応を行うことは必須となっています。
また、表示が遅いWebサイトはユーザーにとって苦痛でしかなく、折角Webサイトに辿り着いてもページが存在しなかったりすると、ユーザーはがっかりしてしまいます。
そのため、ユーザーにとって最適な表示が出来ているかはユーザーを逃がさないために重要な要素となっています。
- Webサイトはスマートフォン対応ができていますか?
- Webサイトの表示はGoogleのPageSpeed Insights等のパフォーマンス測定ツールで最適な表示となっていますか?
- 404等のエラー、リンク切れが発生しているページはありませんか?
- 重複コンテンツはcanonicalの設定がされていますか?
- 各ページは独立したページタイトルを持っていますか?
- サイトマップ、robots.txt、sitemap.xmlは用意されていますか?
- 「wwwあり」と「wwwなし」の一本化等のURL正規化は行われていますか?
- どこから見ればいいのかが一目でわかりますか?
- 欲しい情報へ簡単にアクセスできるナビゲーションが用意されていますか?
コンテンツ
Googleのアルゴリズムは、日に日に改善され、現在では低品質な被リンクを貼ってもSEO効果を期待することができなくなりました。
そのため、「コンテンツ・イズ・キング」と言われる「Webサイトにとって、コンテンツが最も重要である」という、コンテンツの質を上げることによってGoogleからの評価を上げることが検索エンジン対策の主流となっています。
また、実際にユーザーがWebサイトに辿り着いても、自分が求めている情報と異なるものが表示されていると、その段階でユーザーは直帰をしてしまいます。
これを避けるためには、流入キーワードとコンテンツが正しくマッチしている必要があり、ユーザーが望む質の高いコンテンツを作って、そこに確実に到達できるようにする必要があります。
さらに、検索エンジンは更新頻度が高く、ページが増えて行くWebサイト程、情報の重要度が高いと判断する傾向がありますので、更新頻度を上げてコンテンツを増やし続ける事は、ユーザーに対する情報提供という意味合いだけでなく、SEO対策の必須要件となっています。
- どのくらいの頻度で、コンテンツを更新していますか?
- ターゲットユーザーの興味と役に立つキーワードと一致したコンテンツになっていますか?
- コンテンツは読みやすい文章になっていますか?
- 綴りや文法の誤りが含まれていませんか?
- ユーザーが電話を掛けたり問い合わせをしたいと思うコンテンツになっていますか?
- テキストだけでなく写真や画像、ビデオで情報を伝えていますか?
ゴール
Webサイトは、ユーザーに閲覧されるだけでは意味がなく、「問合せをする」「商品を購入する」「電話を掛ける」「資料請求をする」といった最終的な期待する行動まで呼び起こす事が必要です。
そのためには、ユーザーがその行動をしたいと思う「インセンティブ」を用意してあげる必要があります。
ただし、「インセンティブ」と言っても「特典」や「無料サンプル」等の「マーケティング・オファー」でなくとも、コンテンツによる信頼感や納得感でも構わず、ゴールとなる行動へスムーズに行くための「仕掛け」と言い換えてもいいでしょう。
流入からゴールまでのハードルが高ければ、ユーザーの行動はなかなか喚起できませんので、特にコンバージョンで成果が出ない場合においては、このユーザー動線がどのように設計されているかが重要になります。
- 流入からゴールまでのユーザー動線を想定した導線設計になっていますか?
- Webサイトやソーシャル・メディア、ブログ等に必要なフォームを用意していますか?
- ゴールアクションをすることでどういったメリットがあるかを明確にしていますか?
- ランディングページで「マーケティング・オファー」が提示されていますか?
- 「マーケティング・オファー」は想定ユーザー別に用意されていますか?
「セルフ・オーディット(自己監査)」の次に
このチェックリストは、決して全ての要素を網羅している訳ではありませんし、別の形で「セルフ・オーディット(自己監査)」を行う方法もあります。
我々も、「デジタル・マーケティング・オーディット」や「Webマーケティング・オーディット」の実施をする場合、各企業に対しては一つ一つ個別に調整をしたチェックリストを用意していますし、チェックリストの内容は常にアップデートされています。
皆さんが「セルフ・オーディット(自己監査)」を行う際には、できるだけ客観的な各種データを集め、自分たちが取っている戦略を分析できるように十分な時間を使って行ってください。
「セルフ・オーディット(自己監査)」をやってみて、もっと客観的な「オーディット(監査)」を受けてみたいという場合はぜひ我々にご相談ください。
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