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2024年8月2日に総務省から『令和6年度ふるさと納税に関する現況調査結果』が発表されました。
こちらのデータによると、令和5年度のふるさと納税の寄付額は、約1兆1,175億円(前年比約1.2倍)、寄付件数では約5,895万件(同 約1.1倍)と、順調に増加していることが分かります。
また、ふるさと納税受入額の多い20団体は以下の通り。
目次
トップ20の中でふるさと納税独自サイトを構築している自治体
トップ20の中でふるさと納税独自サイトを構築している自治体の独自サイトは、赤の点線で囲った10自治体であり、逆にふるさと納税独自サイトを構築していない自治体は、5位の北海道別海町、6位の北海道根室市、7位の愛知県名古屋市、9位の福岡県飯塚市、12位の宮城県気仙沼市、13位の岩手県花巻市、15位の宮崎県宮崎市、16位の福井県敦賀市、17位の佐賀県上峰町、18位の北海道弟子屈町、20位の鹿児島県志布志市の11自治体で、これらの自治体は寄付の申込みはふるさとチョイスやふるなびなどの外部ポータルサイトで寄付の受付をしています。
2025年10月からは独自ポイント付与は事実上禁止に
2025年10月からはポータルサイトなどでの独自ポイント付与は事実上禁止になります。
総務省は25日、ふるさと納税制度のルールを見直し、寄付した人に独自のポイントを付与する仲介サイトを通じた寄付の募集を禁止すると発表した。寄付集め競争の過熱を是正するための措置で、ポイント付与は事実上禁止される。周知期間を経て、2025年10月から適用する。
読売新聞:ふるさと納税、「さとふる」など仲介サイトの独自ポイント付与は事実上禁止へ…来年10月から
これについて、総務省の松本総務大臣は以下のように述べています。
その寄附額の中からポータルサイトに入っているところから、ポイントのお金も、流れから見たら出ているといってもいい部分もあるのではないかということで、改めてふるさと納税の本旨である部分を重視するという意味からも、ポイントというお金の流れは、今回はぜひやめていただきたいということで禁止させていただきました。
総務省:松本総務大臣閣議後記者会見の概要(令和6年7月2日)
つまり、ポータルサイト経由の手数料にはポイントの原資も含まれていたのではないか、という点を是正することで、自治体にとっては寄付金額の中から利用できる金額が増えることになります。
ポータルサイト経由での寄付は自治体によっては99%にのぼる
実際、ふるさと納税のポータルサイト経由での寄付金額はどれぐらいあるのでしょうか?
では、ポータルサイト経由で寄付している人の割合はどれくらいなのか。2022年度、受け入れ額が全国5位の約138億円だった大阪府泉佐野市では、なんと99%でした。自治体への直接寄付は1%程度だったということです。
MBSNEWS:『ポイント付与禁止』でどうなる?ふるさと納税 物価高で人気の返礼品は「豪華」→「日常使い」に変化か 地元産の「電気」も受け取れる!?
こちらの記事によると、大阪府泉佐野市では99%がポータルサイト経由ということで、自治体がポータルサイトに支払う手数料も莫大な金額にのぼっていることが想定されます。
事務費用を抑える事が必須要件に
さらに、2023年にはふるさと納税の基準が厳格化され、自治体が寄付を募るのに使う経費を寄付額の5割以下とするようになったことで、事務にかかる費用を以前よりも抑えることが求められるようになっています。
・ 募集に要する費用について、ワンストップ特例事務や寄附金受領証の発行などの付随費用も含めて寄附金額の
総務省:ふるさと納税の次期指定に向けた見直し
5割以下とする(募集適正基準の改正)
・ 加工品のうち熟成肉と精米について、原材料が当該地方団体と同一の都道府県内産であるものに限り、返礼品
として認める(地場産品基準の改正)
ふるさと納税独自サイト構築のメリットが増えている
こうして見てみると、自治体にはポータルサイトへの依存を減らし、事務にかかる費用を抑えるためには、「ふるさと納税特設サイト」などと呼ばれる独自サイトからの寄付を増やす方向が求めらています。
実際、令和5年のふるさと納税受入額1位の都城市は、独自の「ふるさと納税特設サイト」への集客に力を入れることで、特設サイトからの寄附額が全体の15%程度にまでなっているようです。
ポータルサイト経由の寄附申込みが主流となりつつあるなか、都城市と振興協議会は、独自の「ふるさと納税特設サイト」を立ち上げ、そこへ誘導するリスティング広告を展開。結果、特設サイト経由の寄附額の割合は全体の15%程度まで跳ね上がったという。
Think都城:ふるさと納税日本一の舞台裏 #05自腹で集結、民間事業者の功績 [後編] 「振興協議会」でなければできないこと
今後もふるさと納税の基準厳格化は変わらないでしょうから、事務にかかる費用を以前よりも抑えるためには、ふるさと納税独自サイトを構築して自前での集客を行うことで、ポータルサイトなどに支払う手数料を減らし、自治体が得られる寄付を増やす方向は益々加速すると思われます。
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