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万能なECパッケージやサービスは無い:「ニッチな要件」こそがECサイトの競争力となる、競争力を持った「ニッチな要件」を実現するために:クローズドECが必須となるビジネスモデルとは?の続きです。
最初の記事では、ECサイトの成長戦略において、汎用的な機能ではなく、企業ごとに異なる細やかな要件こそが差別化のカギとなることを解説しました。
さらに前回の記事では、その具体例としてクローズドECを取り上げ、限られたお客様だけに取引を開く仕組みが、BtoBや高級ブランド、規制商材など多くのビジネスにとって必須であることを見ていきました。
今回のテーマは、クローズドECとも密接に結びつく、ユーザーのグルーピング設定です。
現実の商習慣では、すべてのお客様に同じ商品・同じ価格を提示することはほとんどありません。
むしろ取引先ごとに条件を変える、会員ランクに応じて特典を差別化する、といった「顧客ごとに異なる条件設定」こそが当たり前です。
特に、企業間取引(BtoB)のECサイトやクローズドECにおいては、お客様を一律に扱うのではなく、購買実績・所属企業・業種・会員ランクなどに基づいて柔軟にグループ化し、グループごとに異なる商品や価格を提示する仕組みが強く求められます。
- 取引実績に応じて価格を変えたい
- 業種や企業ごとに商品ラインナップを分けたい
- 会員ランクによって購入できる商品や割引率を変えたい
こうした細やかな制御は、単なるオプションではなく、企業の営業戦略やブランド戦略をECにそのまま反映するために不可欠な仕組みです。
今回はその中核となる「ユーザーのグルーピング設定」に焦点をあて、なぜ必要なのか、汎用ECではなぜ難しいのか、そして CS-Cart ならどう解決できるのかを解説していきます。
ユーザーのグルーピング設定とは?
ユーザーのグルーピング設定とは、ECサイトを利用する会員を、購買実績・所属企業・業種・エリアなどの要素でユーザーを分類して対応する仕組みです。
たとえば、同じ業界でも購買頻度の高い得意先と、年に数回しか取引のないお客様を同列に扱うのは非効率ですが、グルーピングを行うことで、お客様ごとに最適な購買体験を提供できるようになります。
ここでは、グルーピングに関する代表的な設定を4つに整理して紹介します。
グループ別商品設定
ある商品は、特定企業向けにのみ販売をしたい、という場合があります。
たとえば、メーカーが特定の代理店グループに限定して提供する専売商品、業界団体に加盟している企業だけが購入できる専門資材など、こうしたニーズに対応するには、商品ごとに販売対象となるグループを設定できる仕組みが必要です。
グループ別価格設定
同じ商品であっても、顧客グループによって価格を変えるのは企業間取引(BtoB)ではごく一般的です。
大口取引を行うグループには仕入れ価格を抑えた特別価格を、一般顧客には通常価格を提示することで、適正な収益構造を維持できます。
会員ランク別商品設定
ユーザーのランク(例:ブロンズ・シルバー・ゴールド)に応じて、販売する商品を変えることも可能です。
たとえば、ゴールドランク会員には一般会員が購入できない「限定商品」や「新商品先行販売」を提供するなど、ロイヤルティ向上施策として活用できます。
会員ランク別価格設定
会員ランクによって価格や割引率を差別化する仕組みも重要です。
たとえば、年間購買額が一定以上の会員は常に5%割引を適用するなど、インセンティブ設計を組み込むことで継続購買を促進できます。
ECサイトでユーザーのグルーピング設定が必要な理由
企業間取引(BtoB)やクローズドECにおいては、お客様を一律に扱うことは現実的ではありません。
こうした課題を解決するのが、ユーザーのグルーピング設定です。
お客様を正しくセグメントし、それぞれに最適化された商品や価格を提示することは、営業現場での交渉や特別対応をECサイト上で自動化する手段でもあり、企業にとって大きな競争力となります。
取引条件の多様性への対応
B2B(企業間取引)では、企業ごとに取引規模や条件、業界特性が異なるため、「誰にでも同じ商品・同じ価格」では顧客満足度も収益性も十分に確保できません。
たとえば、毎月数百万円規模で購入する大口顧客と、年に数回だけ少額発注する顧客を同じ条件で扱うとどうなるでしょうか。
大口顧客からは「特別な条件がないなら他社に切り替える」と言われかねず、逆に小規模顧客に過剰なディスカウントを提供してしまうと、利益率を圧迫してしまいます。
そのため、ECサイトでも営業担当者が個別に対応していた取引条件を、ECサイトに反映させることが必要であり、グループ別商品設定やグループ別価格設定を使って自動で価格や表示商品を変えられることにより、効率化も実現します。
また、ユーザーのグルーピングは、企業規模や業界だけに利用されるものではありません。
例えば、長期間購入をされていないお客様や、新規顧客向けにキャンペーンを行うなど、ユーザーのグルーピングを様々な切り口で行うことで、複数の価格戦略を並行運用できます。
事例:ソロエルアリーナ
アスクル株式会社が提供するソロエルアリーナは、法人向けの会員登録が必須のクローズドECサイトです。
備品の発注業務をWebサイト上で一元管理し、拠点、部署、発注担当者などの単位で社内の購買状況を見える化できます。
また、発注作業は購買担当者が行い、購買管理者が承認を行う分散発注の集中管理がオンラインで出来、購買の金額に応じたボリュームディスカウントにより購買業務の手間・時間を削減しています。

顧客ロイヤルティとブランド価値の向上
高級ブランドやプレミアム商材では、全員に販売するのではなく「特別な顧客だけに提供する」という販売戦略がブランド価値を高めます。
特に、「自分専用の条件」で商品を購入できることは、顧客にとって強い満足感を生みます。
このため、会員ランク別商品設定や会員ランク別価格設定といった「あなただけ」を優遇することは、非常に重要です。
事例:キーコーヒー

キーコーヒーコミュニケーションズ株式会社が提供するキーコーヒー公式オンラインショップは、会員ランク別価格設定を導入したECサイトです。
年間購入金額に応じて4段階(レギュラー・ブロンズ・シルバー・ゴールド)の会員ランクを設け、上位ほどポイント還元率アップ等の特典を付与。
「定期購入会員」のほか、「illyカプセル式エスプレッソマシン」愛用者様専用の「illy倶楽部会員」には、サイト利用状況に合わせてコンテンツの出しわける機能を実装。特定会員のみ閲覧できる特別感を提供しています。
リニューアルした「KEY COFFEE OFFICIAL ONLINE SHOP」のコンセプトは「自分に合ったコーヒーに出会える」「コーヒー選びがもっと便利に、楽しくなる!」。①顧客の目的に合わせた会員種別②顧客会員別の分析とCRM施策③ユーザーに合わせたデザイン設計とコンテンツ――などをそろえた。
ネットショップ担当者フォーラム:キーコーヒーがECサイトを刷新、会員ランク+レビュー機能+CRM機能などを実装
交渉コスト削減
また、従来は営業担当が電話やメールで個別に交渉・見積をしていた業務を、グループ別商品設定やグループ別価格設定を使うことで、自動化されたECサイトが代替することができます。
これにより、営業リソースを新規開拓や提案活動に振り向けられます。
汎用ECパッケージやサービスではなぜ難しいのか?
多くの汎用ECパッケージやSaaS型サービスは、B2C(消費者向けEC)を前提に設計されています。
そのため、標準機能では以下のような制約があります。
- 顧客グループを細かく分けられない。
- 同一商品の価格をお客様ごとには変えられない。
- SaaSサービスでは一律価格、全会員共通の商品表示が前提となる。
- カスタマイズする場合、高額な開発費や運用コストが発生する。
結果として、企業が求める「ニッチな要件」を満たすには多大な追加投資が必要となり、スピード感や柔軟性が失われてしまいます。
CS-Cartならユーザーのグルーピング設定を標準機能で実現
これに対し、CS-Cart には、お客様を任意の条件でグループ化し、商品や価格をグループ単位で制御できる機能が標準機能で提供されています。
ユーザーグループの登録
CS-Cart でユーザーのグルーピング設定行うには、ユーザーグループ機能で、お客様を分類したいグループ毎にユーザーグループを設定する必要があります。
まず、管理画面の左メニューから「お客様 > ユーザーグループ」をクリックし、右上にある「+ユーザーグループの追加」ボタンをクリック。

「ユーザーグループの追加」画面になりますので、作成したいユーザーグループ名を入れ、タイプを「お客様」にして「登録」ボタンをクリック。

次に、管理画面の左メニューから「お客様」から、ユーザーグループに入れたいユーザーの、ユーザーグループのステータスを「有効」に変更して「保存」ボタンをクリックすると、ユーザーがグルーピングされます。

これで、ユーザーグループを作成し、ユーザーを各グループに割り当てられました。
グループ別商品設定の設定方法
グループ別で表示される商品を変えたい場合、CS-Cart の管理画面の左メニューの「商品」から変更したい商品を選び、一般:表示設定にある「ユーザーグループ」でグループ毎にこの商品を表示するかどうかを設定します。

これにより、代理店の中でも近畿地方だけに表示されて販売する商品などを設定できます。
グループ別価格設定の設定方法
グループ別で価格を変えたい場合、CS-Cart の管理画面の左メニューの「商品」から変更したい商品を選び、商品の数量割引でユーザーグループ毎に価格を設定します。

これにより、大口代理店には割引価格を設定する、といったことができます。
会員ランク別商品設定の設定方法
会員ランク別で表示される商品を変えたい場合、CS-Cart の管理画面の左メニューの「商品」から変更したい商品を選び、一般:表示設定にある「ユーザーグループ」で会員ランクで表示するかどうかを設定します。

これにより、プラチナ会員だけに表示される販売する商品などを設定できます。
会員ランク別価格設定の設定方法
会員ランク別で価格を変えたい場合、CS-Cart の管理画面の左メニューの「商品」から変更したい商品を選び、商品の数量割引で会員ランク毎に価格を設定します。

これにより、優良顧客であるプラチナ会員に割引率を大きくするといった設定ができます。
CS-Cartが対応できるユーザーのグルーピングを使ったビジネスモデル
ユーザーのグルーピング設定は単なる技術的な機能ではなく、ビジネスモデルそのものを変革できる可能性を持っていますが、対応できるビジネスモデルとしては、卸売やB2B向けEC、会員制ECモデル、クローズドECというように、競争力を持った「ニッチな要件」実現するために:クローズドECが必須となるビジネスモデルとは?であげた、ビジネスモデルとほぼ同じ形になります。
企業別・業界別・グループ別価格表示

BtoBの商取引では、取扱商品の価格が全ての企業に対して同一価格で販売することはなく、取引条件により販売価格が異なっているのが一般的です。
そこで、取引金額に応じて大口取引企業と小口取引企業で異なるユーザーグループを作成して、異なる価格を設定して表示するようにすることで、BtoBの商習慣に対応します。
また、グループや企業だけでなく、ユーザーに対して一定の購入金額により購入者をより割引の大きなユーザーグループに割り当てたり、定期的にユーザーグループの更新を行う、という事もできます。
利用可能なライセンス
- CS-Cart Store Builder Plus
- CS-Cart Store Builder Ultimate
- CS-Cart Multi-Vendor Standard
- CS-Cart Multi-Vendor Plus
- CS-Cart Multi-Vendor Ultimate
- CS-Cart Multi-Vendor Unlim
利用できるCS-Cartの機能と設定
企業別・業界別・グループ別商品表示

BtoBの商取引では、取扱商品を全ての企業に対して販売することはなく、業界やメーカー、ブランド、商品規格などの様々な条件によって、企業別に提供する商品も異なっているのが一般的です。
そこで、対象企業のユーザーをユーザーグループに割り当てを行い、完成品だけ販売する企業と半製品だけ販売する企業のグループを分けて、不要な商品は表示しない、といった対応ができます。
利用可能なライセンス
- CS-Cart Store Builder Plus
- CS-Cart Store Builder Ultimate
- CS-Cart Multi-Vendor Standard
- CS-Cart Multi-Vendor Plus
- CS-Cart Multi-Vendor Ultimate
- CS-Cart Multi-Vendor Unlim
利用できるCS-Cartの機能と設定
ユーザーのグルーピングが必須のビジネスモデルではCS-Cartは非常に効果的
ユーザーのグルーピング設定は、単なる便利機能ではなく、B2B取引の本質に直結する要件です。
- 顧客ごとに異なる条件を反映できる
- ロイヤルティ向上や売上最大化につながる
- 営業負担を軽減しつつ、ECサイトの自動化で効率化できる
汎用のECパッケージやサービスでは、「カスタマイズ前提」となるこの領域を、CS-Cart は標準機能で実現が可能です。
だからこそ、自社の強みをそのままECサイトに反映し、スピーディかつ低コストに運用を始められるのです。
自社のビジネスモデルの強みを発揮する「ニッチな要件」持ったECサイトやマーケットプレイスサイトを、コストを抑えながら構築したいとお考えなら是非、CS-Cart をご検討ください。
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