小規模不動産特定共同事業のスキーム

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空き家・古民家等の再生事業に地域の不動産事業者等が幅広く参入できるようにするため、2017年12月1日に不動産特定共同事業法の改正が行われ、小規模不動産特定共同事業が創設されました。

小規模不動産特定共同事業とは、不動産に出資を募って不動産の賃貸・売買等を行い、その収益を配当する事業です。

複数人から出資を募る、という形態からクラウドファンディングの仕組みを使ったサービスサイト構築が考えられますが、実際の事業内容を見た場合、クラウドファンディングよりも、ECサイトや会員サイトの方が親和性が高く、工数も少ないく済むと考えられます。

そこで、今回は小規模不動産特定共同事業のサービスサイト構築について見ていきたいと思います。

小規模不動産特定共同事業とは?

そもそも、小規模不動産特定共同事業とはどういったものでしょうか?

これは、不動産特定共同事業法を改正したことにより新たに創設されました。

国土交通省:不動産特定共同事業法の一部を改正する法律が平成29年12月1日に施行されましたには、以下のように書いてあります。

 我が国では、全国で増加している空き家・空き店舗等を再生する取組を拡大するとともに、観光、物流等の成長分野における良質な不動産ストックの形成を促進することが重要な政策課題となっています。
 このような政策課題において、不動産特定共同事業が活用されることが期待され、一定の実績を上げてきたところですが、空き家・空き店舗等の再生事業等の担い手である地域の不動産業者等が不動産特定共同事業を活用するためには、許可要件のハードルが高いという声もありました。また、近年、クラウドファンディング等を通じて、地域づくりにも貢献したいという「志のある資金」を集めてこのような事業を行う事例も増加しており、不動産特定共同事業においてもクラウドファンディングに対応した法整備が求められていました。
 一方、観光等の成長分野を中心に質の高い不動産ストックの形成を促進するためには、機関投資家等のプロ投資家のみを相手方として事業を行う場合における規制を緩和することも望まれていました。
 これらを踏まえ、平成29年5月26日に「不動産特定共同事業法(平成6年法律第77号)の一部を改正する法律」が成立し、平成29年12月1日に施行されました。

国土交通省:不動産特定共同事業法の一部を改正する法律が平成29年12月1日に施行されました

この法律の目的と対応策については、不動産特定共同事業法の一部を改正する法律(平成29年法律第46号)概要(PDF)が良くまとまっていますので、そこから引用してみましょう。

法律の目的と法案の概要

小規模不動産特定共同事業ができた背景と必要性については、以下の通り。

  • 空き家・空き店舗等が全国で増加する一方で、志ある資金を活用して不動産ストックを再生し、地方創生につなげる取組が拡大しているが、不動産特定共同事業※に該当する場合には、許可要件が地方の事業者にとってはハードルが高く、見直しが必要だった。
  • 地方創生に資する事業での資金調達方法として、クラウドファンディングの活用が広がる中、不動産特定共同事業では書面での取引しか想定しておらず、電子化への対応が必要だった。
  • 観光等の成長分野を中心に質の高い不動産ストックの形成を促進するため、不動産特定共同事業制度の規制の見直しが必要だった。

これらの課題を解決するために小規模不動産特定共同事業ができ、以下の内容が盛り込まれています。

  • 小規模不動産特定共同事業に係る特例の創設
  • クラウドファンディングに対応した環境整備
  • 良質な不動産ストックの形成を推進するための規制の見直し

これにより、地方の小規模不動産の再生により地方創生を推進するとともに、成長分野での良質な不動産ストックの形成を推進し、都市の競争力の向上を図る、というものです。

地方の小規模不動産の再生により地方創生を推進するとともに、成長分野での良質な不動産ストックの形成を推進し、都市の競争力の向上を図る。
(KPI) 地方の不動産会社等の新たな参入 800社(2017~2022年)
空き家・空き店舗等の再生による新たな投資 約500億円(2017~2022年)

不動産特定共同事業法の一部を改正する法律(平成29年法律第46号)概要(PDF)

具体的な小規模不動産特定共同事業のスキームは、国土交通省の小規模不動産特定共同事業パンフレット(PDF)にわかりやすい絵がありますので、こちらを引用してみましょう。

小規模不動産特定共同事業のスキーム
小規模不動産特定共同事業のスキーム

このように、対象不動産に個人や法人の投資家から出資を募って、不動産の賃貸・売買等を行い、その収益を出資を受けた個人や法人の投資家に対して配当を行うのが小規模不動産特定共同事業になります。

小規模不動産特定共同事業について解説をするのが本筋ではありませんので、小規模不動産特定共同事業についての詳細は国土交通省の資料をご覧いただければと思います。

インターネット上で手続きができる

小規模不動産特定共同事業においては、投資家に交付する契約締結前の書面等について、インターネット上での手続に関する規定と、インターネットを通じて資金を集める仕組みを取り扱う事業者について、適切な情報提供等必要な業務管理体制に係る規定が整備されました。

これについては、国土交通省の不動産特定共同事業法の電子取引業務ガイドライン(PDF)に、電子取引業務を行う不動産特定共同事業者又は小規模不動産特定共同事業者が遵守すべき内容としてk以下の内容が記載されています

  1. 商号等の表示(法第31条の2第 1項及び第3項並びに規則第53条第1項)
  2. 電子情報処理組織の管理(規則第54条第1号)
  3. 適切な審査(規則第54条第2号)
  4. クーリング・オフ(規則第54条第3号)
  5. 定期的な情報提供(規則第54条第4号)
  6. 重要事項の閲覧(規則第55条)
  7. 分別管理の徹底及び金銭の預託(規則第49条第2項)

クラウドファンディングである必要性がない

このように、小規模不動産特定共同事業を活用することにより、資金調達手法が増えるため、より多くの事業を行ったり、今まで実現できなかったような事業についても行うことができる可能性があります。

しかし、実際の小規模不動産特定共同事業においては、不動産特定共同事業法の一部を改正する法律(平成29年法律第46号)概要(PDF)に記載があるようなクラウドファンディングである必要性はありません。

CAMPFIREREADYFORといったクラウドファンディングサイトの場合、「支援をしたい」または「商品やサービスを購入したい」というユーザー向けになっているため、募集金額と集まっている金額、達成度、支援者数、残り日数などの表示は、ユーザーの参加意欲を煽るために重要であり、出来るだけ多くの投資を集めるほうが望ましいので、誰でも簡単に投資ができることが重要です。

CAMPFIREの例
CAMPFIREの例

一方、クラウドファンディングのサービスの中でもソーシャルレンディングと呼ばれるSBIソーシャルレンディングセキュリテGoAngelなどのビジネスモデルは、投資家に対して運用利回りを提示して投資を募るサービスです。

ソーシャルレンディング:SBIソーシャルレンディング
ソーシャルレンディング:SBIソーシャルレンディング

ソーシャルレンディングを行っている会社のWebサイトを見ていただくとわかるように、募集額や利回りの記載はありますが、リアルタイムでの参加人数などは表示されていません。

これは、参加人数が増えても投資条件は変わらず、入金額が募集額に達した時点で募集は終了するからです。

小規模不動産特定共同事業についても、投資家が期待するのは運用利回りであり、投資家1人あたりの出資金が100万円以内、投資家に募る資金総額が1億円以内、と決まっていて多くの資金を想定額以上集める事はできませんので、クラウドファンディングではなくソーシャルレンディングの方に近いビジネスモデルと言えるでしょう。

ECサイトや会員サイトのサービスに近い

こうしてみると、小規模不動産特定共同事業のWebサイトでは、応募の敷居が低くし、一人頭は低い金額でもユーザーをできるだけ数多く集めるというのではなく、魅力的な投資案件の運用利回りなどの情報を正しく掲載し、少なくはない投資金額を出せる投資家を一定数集める事の方が重要です。

また、投資家からの出資は100万円以内という上限はありますが、金額的に通常はクレジットカードでの決済を行う事はなく、振込などによる入金確認ができた投資家のみが参加する形になりますので、インターネット上で応募できる事だけでなく、入金の確認後の応募受付状況の表示や不動産特定共同事業法の電子取引業務ガイドライン(PDF)で定められた情報提供の方が重要になります。

こう考えると、小規模不動産特定共同事業を行うにあたっては、会員管理機能があり、商品購入や応募ができ、ユーザー毎にマイページで様々な情報発信ができる、ECサイトや会員サイトのサービスの方が、クラウドファンディングのサービスよりも近いのです。

このため、小規模不動産特定共同事業のサービスを行う際には、ECサイトや会員サイトのシステムを使うと、スピード感のあるサービスインができておススメです。

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