オープンソースにおける8つのメリット・デメリットとリスク回避の方法

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あまりシステムに詳しくない方でも、Webサイトやシステム開発の話の中で、オープンソース(open source)という言葉を聞いたことがあると思います。

また、オープンソースでよく言われるメリットとしては、「ライセンス費用がいらない」というものがあります。

しかし、オープンソースのシステムは、使いどころを誤ると有償のパッケージを導入するよりも高くついてしまう事があります。

そこで、今回はオープンソースのメリットとデメリットについて見ていきたいと思います。

目次

オープンソースとは?

そもそも、オープンソースとはなんでしょうか?

Wikipedia:オープンソースには、以下のように記載がされています。

オープンソース (英: open source) とは、ソースコードを商用、非商用の目的を問わず利用、修正、頒布することを許し、それを利用する個人や団体の努力や利益を遮ることがないソフトウェア開発の手法。ソースコードへのアクセスが開かれている(ソースコードが公開されている)ことではない。オープンソース・イニシアティブ は、「オープンソース」と名乗るための要件として「オープンソースの定義」を掲げている。

Wikipedia:オープンソース

ここで出てきたソースコードとは、またまたWikipediaを見ると、以下のように書いてあります。

ソースコード(英: source code)は、プログラミング言語で書かれた、コンピュータプログラムを表現する文字列(テキストまたはテキストファイル)である。

Wikipedia:ソースコード

コンピュータは、プログラムがないとただの箱です。

そのため、コンピュータを動かすためにはまずプログラムを用意する必要がありますが、コンピュータは人間の言葉を理解できませんので、専用の機械語という言語でプログラムを記述します。

00010000 11001101 00110010 00000000 00000001 01110110

ただ、コンピュータの内部では、すべての情報が2進数の数値で取り扱われているため、コンピュータが理解できる機械語は2進数で表現すると上記のようになってしまいます。

この単なる数字の羅列に見えるものでプログラミングをする事は、非常に難しいのはわかりますよね。

そこで、これをもう少し人間が使いやすいように、プログラミング言語という専用の言語でプログラムを記述して、プログラムが実行される際にはこれを機械語に翻訳してコンピュータに読ませることで、実際のプログラミングは行われています。

この人間にとって使いやすくしたプログラミング言語で作成したプログラムのことを、ソースコードと呼びます。

オープンソースとは、このソースコードが公開(open)にされているソースコード(source)。

つまり、ソースコードの中身を公開しているだけでなく、商用、非商用の目的を問わず無料で利用したり、修正したり、さらに配る事も自由なものが、オープンソースなのです。

オープンソースで有名なものとしては、Webサイトの構築に使うCMSでシェアNo.1となっているWordPressもオープンソースですし、【2021年度保存版】一目でわかるEC-CUBEとWooCommerce、CS-Carの機能比較一覧表で紹介したECサイト構築パッケージのEC-CUBEWooCommerceもオープンソースです。

オープンソースのライセンスの考え方とは?

オープンソースは、複製・改修・再配布が認められています。

しかし、オープンソースだからなんでも行っていいというのではなく、制約もあります。

これには、「コピーレフト」と呼ばれる概念への適用状況に応じて、大きく3つのカテゴリに分類ができます。

  • コピーレフト型ライセンス(GPL)
  • 準コピーレフト型ライセンス(MPL)
  • 非コピーレフト型ライセンス(BSDL)

「コピーレフト」とは、、「著作者が著作物に対する権利(著作権)を保有したまま著作物の配布条件として、利用者に著作物を複写・改変・再配布する自由を与える」という考え方です。

つまり、オープンソースの改修・再配布を行う場合は、その利用者にも同様に改修・再配布する権利を与えますが、その際にはまったく同じ条件で派生物を配布することを義務付けています。

コピーレフト(英: copyleft)は、著作権(英: copyright)に対する考え方で、著作権を保持したまま、二次的著作物も含めて、すべての者が著作物を利用・再配布・改変できなければならないという考え方である[1]。リチャード・ストールマンがフリーソフトウェア運動の一環として熱心に広めた考えである[2]

Wikipedia:コピーレフト

準コピーレフト型ライセンス(MPL)や非コピーレフト型ライセンス(BSDL)は、コピーレフト型ライセンス(GPL)に比べると改修箇所の公開義務が緩くなっています。

オープンソースのメリットとデメリット

商用、非商用の目的を問わず無料で利用したり、自由にカスタマイズできるオープンソースの利用には、メリットしかないように思えます。

しかし、実際にはメリットだけでなくデメリットもありますので、それを順番に見ていきます。

オープンソースのメリット

オープンソースのメリットとしては、以下の4つをあげることができます。

  • ライセンス費用が不要
  • カスタマイズが自由
  • 不具合も自分で修正ができる
  • ベンダーロックインにはまらない

ライセンス費用が不要

オープンソースは、上で書いたように商用、非商用の目的を問わず無料で利用ができます。

例えば、商用データベースで有名なOracleは、利用するためには高額なライセンス費用を支払う必要があります。

一方、オープンソースのMySQLやPostgreSQLを利用するにあたって、費用は一切不要です。

カスタマイズが自由

また、商用、非商用の目的を問わず修正ができますので、カスタマイズも自由です。

そのため、オープンソースのソフトウェアにない機能があっても、自由に機能を修正したり、機能を作って追加したりすることができます。

これに対して、有償で販売されるソフトウェアの場合には、ソフトウェアにない機能があっても、そもそもカスタマイズ自体が許されていなかったり、開発元や提携ベンダーに依頼する以外にカスタマイズができない場合もあります。

不具合も自分で修正ができる

オープンソースのソフトウェアに不具合があった場合、ソースコードが公開されていますので、自分で問題個所を調査をして修正まで行うのも自由です。

WordPressのように世界中に利用者がいて、コミュニティの活動も活発なオープンソースのソフトウェアの場合、優秀な技術者が常に検証を行って報告や対応が行われていますので、常時アップデートがされています。

これに対して、有償で販売されるソフトウェアの場合には、問題個所を調査すること自体も難しく、またたとえ問題個所がわかっても、開発元が対応してくれるのを待たないといけません。

ベンダーロックインにはまらない

ベンダーロックインとは、ベンダー(開発元やメーカーなど)が顧客を囲い込んで出れなくすること。

ベンダーロックイン(英: vendor lock-in)とは、特定ベンダー(メーカー)の独自技術に大きく依存した製品、サービス、システム等を採用した際に、他ベンダーの提供する同種の製品、サービス、システム等への乗り換えが困難になる現象のこと。

Wikipedia:ベンダーロックイン

Wikipedia:ベンダーロックインにあるように、「ベンダーの独自技術に大きく依存」してしまうことで、「乗り換えが困難」になる状態です。

MicrosoftのWordやEXCELで作成された文書や資料は、今でこそOpenOfficeLibreOfficeといったオープンソースのOfficeソフトウェアでかなり閲覧や編集ができますが、以前はWordやEXCELを有償で買わないと閲覧もできませんでした。

同様に、有償で販売されるソフトウェアは、通常ソースコードが公開されていませんので、別のソフトウェアではデータを閲覧できなかったり、開発元が買収されたりしてソフトウェア自体がなくなってしまうと、利用すらできなくなる可能性もあります。

実際、商用データベースのOracleを使っていて、オープンソースのPostgreSQLやMySQLに移行しようと思っても、移行の大変さやコスト面などから変えられない、ということも起こっています。

また、オープンソースのソフトウェアは、ソースコードが開示されていますので、もし自社内の人員や依頼をしていたベンダーがサポートできなくなったとしても、すぐに代わりのベンダーを探す事ができます。

有償で販売されるソフトウェアの開発ができる人員は非常に限られる一方、ユーザー数が多いオープンソースのソフトウェアの方がベンダーの選択肢は多くなりますし、ユーザー数が少なくてもオープンソースのソフトウェアは、PHPなどの開発者多いプログラミング言語で開発されていることが多いので、対応できるベンダーの選択肢が増やせるというのもメリットです。

デメリット

一方、オープンソースを利用する場合には、デメリットもあります。

  • ドキュメント類が揃っていない場合がある
  • 日本語での情報が少ない場合がある
  • 不具合があっても自分で対応が必要
  • 開発元のサポートが用意されていない

つまり、オープンソースの恩恵を受けるために「自己責任」が求められるということです。

ドキュメント類が揃っていない場合がある

オープンソースのソフトウェアは、ライセンス費用が無料である代わりに、ドキュメント類が揃っていない場合があります。

有償で販売されるソフトウェアは、使い方のマニュアルが紙で購入時に同梱されていたり、最新のWebマニュアルが一般的には用意されていますが、オープンソースの場合、WordPressのドキュメントを見ていただくとわかるように、そこまで詳細なドキュメントが用意されてはいません。

また、オープンソースはカスタマイズが自由にできますが、そのためのドキュメントについても同様ですし、基本的には「自己責任」で調べて対応をする必要があります。

日本語の情報が少ない

オープンソースのソフトウェアは、海外発祥のものが多いため、日本語での情報が少ない場合もあります。

有償で販売されるソフトウェアの場合、日本に入ってきたばかりの場合には、やはり日本語の情報が少ない事も多いのですが、日本法人ができたりすると、すぐに日本語対応が行われます。

もちろん、EC-CUBEのように、日本発祥のオープンソースのソフトウェアもあります。

ただ、WordPressのバージョンアップも英語からリリースが行われますし、新しいオープンソースのソフトウェアは、やはり英語から情報が広まる事が多いため、オープンソースのソフトウェアを利用する場合には、日本語だけで対応するより英語まで対応ができる方が望ましいのは確かです。

不具合があっても自己責任

オープンソースのソフトウェアは、ライセンス費用が無料である代わりに、利用に伴って発生する事象への対応は全て「自己責任」で行う必要があります。

そもそも、オープンソースのソフトウェアを使うかどうかを決める事も「自己責任」です。

そのため、オープンソースのソフトウェアに不具合が発生しても、開発元には責任はありませんし、開発元が修正しなければ、自分達で修正をしないといけない場合もありますし、不具合に起因する損害が出ても、それは自分達で解決するという「自己責任」がここでも求められます。

これに対して、Microsoft OfficeのWordやEXCELのような有償のソフトウェアでは、Microsoftが不具合の修正を行ってくれます。

開発元のサポートが用意されていない

オープンソースのソフトウェアでは、開発元のサポートは基本的には用意されていません。

有償のソフトウェアでは、開発元には契約によって定められたサポートの責任が発生しますが、上で書いたようにオープンソースの開発元にはサポートを行う責任がありません。

そのため、何らかの不具合が発生したとしても、「自己責任」で対応をする必要があります。

オープンソースのメリットを享受するためには

このように、オープンソースのソフトウェアを使う上においては、大きなメリットを享受するためには、「自己責任」が求められるというのがポイントとなります。

しかし、この「自己責任」」というのは、何もかも自社で対応しないといけないという事を指してはいません。

信頼できるベンダーと組む

有償で販売されるソフトウェアも、通常は保守契約を提携して、保守を行ってもらうと思いますが、個別対応については別途費用がかかるものが多くなっています。

一方、オープンソースのソフトウェアであっても、自社でサポートができないのであれば、信頼のおけるベンダーに依頼をして、オープンソースのリスクを理解をした上で保守やサポートをしてもらえれば、有償で販売されるソフトウェアよりも望ましい形での運用はできます。

また、WordPressのようにユーザーの多いオープンソースでは、様々な知見が日本語でも豊富にありますし、無料のPlugin(プラグイン)が多数用意されていますので、これらを使って機能追加やカスタマイズを行えれば、開発におけるコストを大幅に抑える事ができる可能性もあります。

つまり、オープンソースのメリットを享受するためには、オープンソースのメリットとデメリットを正確に理解をして、自社に足りないもは外部で対応する事を理解する必要がありますし、何か障害が発生した場合にも、ベンダーを非難するのではなく一緒に問題解決を行う必要があります。

オープンソースを使ってはいけない企業

これに対して、オープンソースのソフトウェアを使うのに向いていない企業というのは確かにあります。

それは、「正しいリスク想定ができず、リスク回避ができない企業」です。

WebサイトやWebサービス、ECサイトなどは、24時間365日、運用し続けることが望ましいものですが、東証のシステム障害の対応について新聞とIT業界の見方が正反対なのは前提条件が真逆だからでも書いたように、「システムはどんなに上手く運用しても止まるもの」です。

システムが止まる原因というのは様々ありますが、「絶対止まる」という前提で考えた場合には、システムやデータをどのようなタイミングでどのようにバックアップを取っておくか、また止まった後にはどのように復旧させるか、を事前に検討しておく事ができますし、そのための予算化もできます。

一方、「絶対止まる」という前提で考えていない場合には、止まった時の対応がごっそりと抜け落ちていますし、この対応コストは余計な費用として排除されてしまい、バックアップが全く取られていなかったり、障害発生時の対応方針が決まっていない、という企業の残念な状況は実際に数多く見られます。

しかし、本当はどういった保守が必要か検討すべきものに対して、コスト感だけが判断材料になってしまうと、正しいリスク想定はできなくなり、それに伴いリスク回避策も採用されないことになります。

システム保守費って支払う必要があるの?システム保守はなにをやっているの?でも書いたように、システムおいて本来は貯まり続けるデータが一番重要です。

残念ながら、こういった運用をしていると、セキュリティ対応を行わなかったことによる個人情報の流出や、システムの障害によるデータ消失などの問題が発生して、初めてリスクを理解することになるでしょうし、問題が発生した後からは何も手を打つことができないので、このような考えを持っている企業は、オープンソースを使うべきではありません。

簡単過ぎて危険

最近のレンタルサーバには、WordPressEC-CUBEなどのオープンソースのソフトウェアを簡単にインストールできる仕組みが無料で用意されているため、誰でも簡単にオープンソースのソフトウェアを使う事ができるのは大変なメリットです。

しかし、あまりにも簡単にインストールができて使えてしまうために、運用も簡単だと錯覚しがちですが、レンタルサーバに入っているWordPressEC-CUBEも全く同じオープンソースのソフトウェアですので、利用にあたっては上であげたメリットもデメリットもあるという事は理解しておく必要があります。

特にECサイトは、個人情報が必ず入っているものであり、ECサイトの運営を事業として行うのであれば、システム障害やデータ消失などによる事業運営リスクを想定した対策は必須である、という事を改めて理解いただいて、レンタルサーバでの運用をするのをお勧めします。

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