5つのECサイト構築方法と失敗しない選び方

公開日: 2018/02/22 更新日: 2018/02/26
カテゴリー: EC
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弊社にECサイト(ネットショップ)の新規立ち上げやリニューアルをご相談される方は、ショッピングモールやASP、オープンソース、パッケージ、フルスクラッチと様々な選択肢がある中で、自社にマッチするサービスやパッケージをどのように選べばいいのかで悩んでいるケースが非常に多くあります。

しかし、ECサイトの構築サービスや構築方法は、大きく分けて5つあり、どの構築方法を選ぶべきかは、「何を重視するのか?」とそれぞれのサービスや構築方法毎のメリットとデメリットだけでなく、利用目的、自社の状況、予算などで自然と決まって来ます。

そこで、今回はクライアントからよく聞かれる、5つのECサイト構築方法の特徴と失敗しない選び方についてお話しします。

5つのECサイト構築方法

まず、最初に5つのECサイト構築方法としては、大きく分けて以下の5つが上げられます。

  1. モール出店
  2. ASP(Application Service Provider)
  3. オープンソースパッケージ
  4. 有償パッケージ
  5. フルスクラッチ

モール出店

モール出店は、Amazonや楽天、Yahoo!ショッピングといった、ショッピングモールに出店をする形でECに取り組むものです。

また、モール出店については、Amazonのようなマーケットプレイス型と楽天、Yahoo!ショッピングのようなショッピングモール型では戦略が変わって来ます。

マーケットプレイス型

Amazonに代表されるマーケットプレイス型は、Amazonに出品して売り上げを得るというものですので、Weサイトのデザインは変更できませんし、購入者は「Amazonで買った」という認識しかしませんので、リピーターを作る事はかなり困難です。

しかし、販売をするのには商品を登録するだけで出品が完了し、料金さえ払えば商品管理から発送まであらゆる事務作業を担当してくれるため、ECサイト運用の負荷はかなり低く済みます。

また、プロモーションもAmazonが行なってくれるため、Webサイトへの集客を考える必要はありませんし、集客力の大きさからターゲットニッチな商品でも販売ができます。

ただし、商品の性能や価格は容易に比較がされますし、格安モバイルバッテリーのAnkerが成功したやり方のように、正規品よりも高い性能を実現して口コミを味方につけない限り、ブランディングは非常に難しいものがあります。

さらに、商品ページにリーチさせるためには、「Amazon SEO」と言われるAmazon内での検索対策を行う必要もありますし、手数料が高い、今まで売れていた商品がいきなり売れなくなる、という事もあり、販売戦略が立てにくいというのもデメリットとしてあげられます。

このため、マーケットプレイスでの販売に向いているのは以下のような場合です。

  • ECサイトではなくAmazonでの販売と理解する
  • 類似商品が既にあって商品の説明がなくても売れる商品
  • 性能やデザインなどで高い評価のレビューと相対的に低い価格が実現でき需要次第で売れる商品
  • ECの運用ノウハウがない
  • 短期間・低コストでECサイトを開始したい

ショッピングモール型

一方のショッピングモール型は、ある程度はデザインをいじることができますし、デザインや商品登録の作業が必要ですので、商品を販売し始めるまでには時間がかかりますが、自社ブランドとしてのECサイト構築としての体裁は整います。

また、楽天がTV CMをバンバン流している事からわかるように、ショッピングモール型もWebサイトへの集客やSEOを考える必要はありませんし、楽天の場合はユーザー数が圧倒的に多いので、そのユーザー層にリーチできる点でもメリットはあります。

さらに、メルマガ配信施策など、店舗独自の施策が取る事ができますので、店舗に対するリピーターを作る事もできます。

ただし、楽天では「楽天SEO」と呼ばれるサイト内検索結果の表示順位上位対応や、楽天内での広告出稿やランキング上位掲出対策を行わなければ、売上が上がりません。

また楽天は、出店のための初期費用とシステム利用料、販売手数料が高いのもデメリットです。

そのため、ショッピングモール型での販売に向いているのは以下のような場合です。

  • 国内最大規模の流通額とユーザーを有効に利用したい
  • 楽天イベントなどの集客力に魅力を感じている
  • ある程度のブランディングは確保したい
  • 楽天のマーケティング施策で集客・囲い込みをしたい
  • ECの運用ノウハウがないので学びたい

こうして見るとわかるように、ECサイトの運用をした事がない場合に、モール出店をまず始めてみて学ぶという事ではある程度有効である事がわかります。

しかし、モール出店に向いている商品を販売する戦略を継続的にとらない限り、モール独自のルールが多いため、運用コストやマーケティングコスト、ブランディングの面においてはメリットがありません。

そのため、ECについての運用ノウハウや顧客対応などの知識がある程度得られた段階で、次の選択に進むのが望ましくなってきます。

ASP(Application Service Provider)

ASP(Application Service Provider)は、アプリケーションをオンライン上で貸し出してくれるサービスです。

ECのASPでは、専用のオンライン・サービスとして提供されているものから、ECパッケージを月額料金で支払ってレンタルの形でクラウドで使えるものまで、様々な形態のものが用意されていますので、サーバの購入・構築コストやシステム構築コストを考えずに、低コストでECサイトの構築・運用ができます。

また、店舗毎にデザインを設定でき、独自ドメインでの運用が可能であるなど、明確な自社ECサイトとしての位置付けがしやすくなっています。

さらに、ECサイトの構築・運用のための機能が最初から用意されていますので、比較的短期間で手間を掛けずにECサイトの運用が始められます。

しかし、店舗毎にデザインを設定できるという事は、自社ブランディングを意識したものを構築をするためには、それなりのコストと時間をかける必要があります。

他にも、専用のオンライン・サービスとして提供されているため、自分が欲しいと思った機能が用意されていない、外部のシステムとの連携が難しい、大規模なECサイト構築では使い難い、大規模なトラフィックに対応していない、といった制限もあります。

モール出店と違って自社サイトとなりますので、独自でSEO対策やリスティング広告、コンテンツマーケティングなどの集客にコストを掛けて対策を行う必要もあります。

決済手数料が高く設定されていたり、運用コストについて、アクセス数や顧客数、商品点数、売上などで決まっているケースが多いので、顧客数や売上が上がってくると割高になってくる面もあります。

そのため、ASPでのECサイト構築・運用に向いているのは以下のような場合です。

  • 自社でブランディングをしたい
  • 独自ドメインでのECサイトが欲しい
  • 短期間・低コストでECサイトを運用したい
  • 当初の売上規模が大きくない
  • ECサイト運用のノウハウを学びたい

オープンソースEC

オープンソースとは、ソフトウェアのソースコードを無償で公開し、誰でも自由に改良・再配布ができるようにしたソフトウェアのことで、ECのオープンソースの場合、日本のEC-CUBEがこのオープンソースECにあたりますし、WordPressのPluginであるWooCommerceや越境ECに対応したMagentoPrestaShopなどが含まれます。

また越境ECに対応し、多言語・多通貨に対応したECサイト構築パッケージ「CS-Cart」は、現在有償パッケージとなっていますが、元々はオープンソースから始まっていてソースコードも開示されていましたので、オープンソースと有償パッケージの間にあるとも言えます。

オープンソースでは、ソースコードが無償で公開されていて、自由に変更ができますので、実現したいデザインや機能を独自に盛り込むことができます。

また、ライセンスの費用がかかりませんので、ライセンス部分における初期コストや運用コストが大幅にカットできるというのもメリットですし、ソースコードが公開されていますので、後から自社でカスタマイズを加える場合にも、ドキュメントを探しやすいという面もあります。

しかし、ライセンス費は無償ですが、システムの構築やデザインはもちろん独自に行う必要がありますし、無償という代わりに自己責任での開発・運用が必要で、開発サポートや保守サポートは基本的には提供されておらず、セキュリティ対応も自己責任で行う必要があります。

そのため、オープンソースECでのECサイト構築・運用に向いているのは以下のような場合です。

  • 自社でブランディングをしたい
  • 独自ドメインでのECサイトが欲しい
  • ECサイトの構築・運用経験がある場合の新規構築・リニューアル
  • ECサイトの構築・運用課題をパッケージの機能で解決できる
  • ECサイトの構築・運用経験から独自カスタマイズしたい機能がある
  • 比較的短期間・低コストでECサイトの構築・運用をスタートしたい
  • 自社で保守・運用ができるようにソース開示をして欲しい
  • 自社リソースまたは信頼できるベンダーを確保している

有償パッケージ

有償パッケージは、各社パッケージ・ベンダーがECサイトの構築・運用に必要だと思う機能を用意し、開発から保守運用までを有償で提供しているECのシステムです。

パッケージ・ベンダーは常にバージョンアップを行い、新たな機能追加を常に続けていますので、多彩な機能がパッケージの中に既に用意されており、用意されていない機能についても柔軟なカスタマイズが可能で、デザイン面の自由度も高くなっています。

また、保守については自社で開発したパッケージ・ベンダーが行いますので、オープンソースのように自己責任で対応をしなければいけないという事はなく、自社内で保守の人員が確保できない企業にとっては安心です。

ただし、高機能なパッケージであるために、ライセンス費や保守費、動作環境のコストはかなり高額で、カスタマイズを行う場合にも対応できるベンダーが限られたり高額になるケースがある上、要件定義から構築・運用までにはかなり時間がかかるのが一般的です。

そのため、有償パッケージでのECサイト構築・運用に向いているのは以下のような場合です。

  • 自社でブランディングをしたい
  • 独自ドメインでのECサイトが欲しい
  • ECサイトの構築・運用経験がある場合の新規構築・リニューアル
  • ECサイトの構築・運用課題をパッケージの機能で解決できる
  • ECサイトの構築・運用課題から独自カスタマイズしたい機能がある
  • 長期の開発期間と高額な開発費・保守費に見合うプロジェクト
  • 構築から保守運用はベンダーに全て依頼

フルスクラッチ

フルスクラッチとは、オープンソースや有償パッケージを使わず、一からECサイトを構築する手法です。

フルスクラッチでは、全く一からの構築となるため、必要となる機能やデザインだけでなく、画面遷移や決済手段などを、やりたいと思った事はほぼ全て実現することができ、様々なシステムとの連携も全て受け入れる事が可能です。

また、膨大なトラフィックが想定される事態に対しても、最初から想定した形で設計ができますので、どこまでも対応することが可能となります。

しかし、何もない状態からの構築となるため、開発費用や開発期間がとてつもなく膨大になりますし、最初の要件定義をきっちり行なって、途中での仕様変更が発生しない状態で構築を始めないと、当初の工数や期間を大幅に超えてくる事態になったり、システムがうまく動かないとい不具合がでる可能性も高くなってしまいます。

そのため、フルスクラッチでのECサイト構築・運用に向いているのは以下のような場合です。

  • 自社でブランディングをしたい
  • 独自ドメインでのECサイトが欲しい
  • ECサイトの構築・運用経験がある場合の新規構築・リニューアル
  • ECサイトの構築・運用経験で課題を抱えていて独自の機能が必要
  • ECサイトの画面遷移や商品の訴求方法などで独自性が求められる
  • 長期の開発期間と高額な開発費・保守費に見合うプロジェクト
  • 構築から保守運用はベンダーに全て依頼

ECサイトの構築・運用を踏まえた設計が重要

以上のように、5つのECサイト構築方法の種類と、向いているケースを上げてきました。

この5つの選択を簡単にまとめると、モール型やASPでは、「ECサイトの構築・運用を理解して次にどう繋げるか?」を考え、初期導入コストをかけて行なって行くオープンソース以降では、「ECサイトの構築・運用をやってきて次に何を重視するのか?」が導入サービス決定のポイントとなります。

これはECにおいて、ECサイトの構築は単なるスタートでしかなく、商品を販売して売上をあげ続ける運用が本当の目的であり、運用を踏まえたシステム選定と設計が大変重要だからです。

新規立ち上げやECの経験がない場合はASPから

ここから考えると、売上が少ない場合や新規事業、ECの構築・運用ノウハウがない場合は、まず導入・運用コストが低価格で機能がある程度揃っているASPを選択するのがおすすめですし、足りない機能についてはシステム開発ではなく業務フローで対応する事を意識する必要があります。

これは予算のかけられないECサイトのスタート時点では、予想で必要な機能要件を決めるのではなく、実際の運用の中で問題点を洗い出していって将来的なシステム導入に備える、という形が合理的だからです。

業務フローで対応できなくなった段階で次の選択へ

ECサイトをASPで運営する中で売上が増え、取り扱い商品点数や顧客数、販売件数が膨大になってきたり、社内業務フローが複雑になって効率が悪くなってきた場合には、次の選択に進む段階と考えるべきです。

その段階で、オープンソースや有償パッケージ、フルスクラッチからの選択となりますが、ASPで洗い出した課題を解決し、売上を増やすためには何を重視するかを検討する事によって、この次の選択は大きく変わります。

さらに、オープンソースや有償パッケージを選択する場合には、足りない機能を全てカスタマイズする前提で考えるよりも、ASPを使っていた時と同じように、デフォルト機能でどこまでできるのかを考え、必要な部分のみをカスタマイズする方向で考える方が、導入期間もコスト面もメリットが大きい事を理解しておきましょう。

オープンソースや有償パッケージ、フルスクラッチは自由度が高いため、すぐにカスタマイズの方向に走りがちですが、ECサイトは商品を販売する事が目的であり、カスタマイズをしたからと言って大きく売上が上がることがないからです。

常に、「自社の商品をユーザーに売るためには何が必要なのか?」を考えて、必要要件を決めるようにすれば、システム選定での失敗は最小限に抑えられるはずです。

リソース・シェアリングでは、ECサイトおよび越境ECのコンサルティングから構築・運用・解析まで、長年に渡る経験からワンストップでご提供しております。

ASPからフルスクラッチまで対応が可能ですので、ECサイトの構築・運用でお悩みの際にはぜひお声がけください。

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