5つのECサイト構築方法と失敗しない選び方

公開日: 2018/02/22 更新日: 2019/10/31
カテゴリー: EC
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ここのところ、ECサイトや越境ECといった言葉がニュースや新聞の記事、ビジネス雑誌で頻繁に取り上げられるようになってきました。

オンライン販売という呼び方であれば、ECサイトという言葉よりもなんとなく内容が想像しやすいかと思いますが、いまやスマートフォンを一人1台持つのが当たり前になり、誰もがインターネットに接続するというのを意識することなしに利用するようになっています。

また、Amazonや楽天のような一般の方が知っているサイトだけでなく、ミンネやCreemaといった個人でもインターネットで商品を売買できるサービスも増えてきています。

さらに、近所のスーパーの買い物がオンライン上で出来たり、OZOTOWNなどの衣料品のECサイト、メルカリやラクマといったフリマアプリを使って、個人同士で商品を売り買いできるサービスまで出てきました。

このように、ECサイトを立ち上げると、企業においてはこれまでの店舗での販売や訪問販売、FAX、電話といった既存の販売チャネルに加えて、インターネットでも販売できるチャネルが増えることにより、今や日本国内だけでなく世界にも商品やサービスの販売ができる可能性が拡がります。

実際、経済産業省が発表している「平成29年度我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)」によると、平成29年の日本国内のBtoC-EC(消費者向け電子商取引)市場規模は、16.5兆円(前年15.1兆円、前年比9.1%増)に拡大しています。

また、以前ご紹介をした「ジェトロ世界貿易投資報告 2018年版」から見える成長著しい越境EC市場の市場規模によると、中国電子商取引大手アリババの研究所であるAliResearchとコンサルティング大手のアクセンチュアの予測によれば、世界の企業対消費者(B2C)の越境電子商取引(EC)市場規模は、2017年には5,300億ドルとなっています。

このように、インターネットで物を売り買いする市場規模は年々増加しており、ますますECサイトを利用される方も増えていくものと予想されますので、自社でもECサイトを構築することによって売り上げを伸ばそうという企業も多いと思います。

こういった状況の中、弊社にECサイト(ネットショップ)の新規立ち上げやリニューアルをご相談される方は、マーケットプレイスやASP、オープンソース、パッケージ、フルスクラッチと様々な選択肢がある中で、自社にマッチするサービスやパッケージをどのように選べばいいのかで悩んでいるケースが非常に多くあります。

しかし、ECサイトの構築サービスや構築方法は、大きく分けて5つあり、どの構築方法を選ぶべきかは、「何を重視するのか?」とそれぞれのサービスや構築方法毎のメリットとデメリットだけでなく、利用目的、自社の状況、予算などで自然と決まって来ます。

そこで、今回はクライアントからよく聞かれる、5つのECサイト構築方法の特徴と失敗しない選び方についてお話しします。

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5つのECサイト構築方法

まず、最初に5つのECサイト構築方法としては、大きく分けて以下の5つが上げられます。

  1. Amazon出品サービス
  2. ASP(Application Service Provider)
  3. オープンソースパッケージ
  4. 有償パッケージ
  5. フルスクラッチ

Amazon出品サービス

Amazon出品サービス‎」は、Amazonに商品を並べて販売するもので、Amazonにアカウント開設の申込みをすれば、それだけで商品を販売し始められます。

AmazonのWebサイトでは商品を検索した場合、Amazonが直接販売している商品と出店社が販売している商品が出てくきます。

この、後者の商品が「Amazon出品サービス‎」で出品が行われています。

Amazon出品サービス‎

Amazon出品サービス‎

この「Amazon出品サービス‎」というのは、Amazonですでに販売中の商品であれば、在庫数と価格などの最低限の情報の入力のみで販売開始ができます。

Amazon出品サービスを利用するメリット

Amazon出品サービス‎」を利用するメリットは、販売する商品と写真、販売価格だけ決めればインターネットで商品を売ることができる、という点です。

また、代金回収や商品ページへの集客はAmazonが全て行ってくれますし、フルフィルメント by Amazon (FBA)というサービスを使えば、商品配送やカスタマーサービスも代行してくれます。

Amazon出品サービスを利用するデメリット

Amazon出品サービス‎」を利用するデメリットは、Amazonに商品を出品するだけですので、Weサイトのデザインは変更できませんし、購入者は「Amazonで購入した」という認識になってしまいます。

また、商品の性能や価格は容易に比較がされますし、色々と楽な反面手数料が高い点や、今まで売れていた商品がいきなり売れなくなる、という事もあり、販売戦略が立てにくいというのもデメリットとしてあげられます。

ASP(Application Service Provider)

ASP(Application Service Provider)は、アプリケーションをオンライン上で貸し出してくれるサービスです。

ECのASPでは、専用のオンライン・サービスとして提供されているものから、ECパッケージを月額料金で支払ってレンタルの形でクラウドで使えるものまで、様々な形態のものが用意されていますので、サーバの購入・構築コストやシステム構築コストを考えずに、低コストでECサイトの構築・運用ができます。

楽天やYahoo!ショッピングなどのショッピングモールは、正しくはASPとは異なりますが、独自ドメインでの運用ができない部分や各ショッピングモールでの検索や流入がある点を除けば、サイト構築の負荷や運用コストの部分においてASPと近い部分があります。

ASPでのECサイト構築のメリット

ASPでのECサイト構築のメリットとしては、ASP業者にアカウントを解説して設定をするだけで最初から一定の機能が揃った独自のECサイトが構築できますので、比較的短期間に低コストで自社ECサイト構築をしたい企業にとっては魅力的なサービスです。

ASPでのECサイト構築のデメリット

一方、ASPでのECサイト構築のデメリットとしては、最初から用意されたもの以外の機能について、企業独自でカスタマイズをしたいと思った際には別途費用が発生したり、自由度が低く対応ができない場合が多い点です。

オープンソースパッケージ

オープンソースとは、ソフトウェアのソースコードを無償で公開し、誰でも自由に改良・再配布ができるようにしたソフトウェアのことで、ECのオープンソースの場合、日本のEC-CUBEがこのオープンソースパッケージにあたります。

また海外のオープンソースパッケージとしては、WordPressのPluginであるWooCommerceや越境ECに対応したMagentoPrestaShopなどがあります。

オープンソースパッケージでは、ECサイト構築に必要な一定の機能が最初から用意されており、カスタマイズについてもある程度対応ができるようにつくらているため、オープンソースパッケージが動くサーバを用意するだけで、独自ECサイトの構築・運用ができます。

オープンソースパッケージでのECサイト構築のメリット

オープンソースパッケージでのECサイト構築のメリットは、最初からECサイトの構築・運用のための機能が用意されていますので、機能をそのまま使う場合やカスタマイズをするための様々な機能がPluginなどの形で提供されている場合には、比較的短期間でECサイト構築と運用ができる点が挙げられます。

また、ライセンスの費用がかかりませんので、導入にあたってライセンス部分における初期コストや運用コストが大幅にカットできるという点もメリットです。

オープンソースパッケージでのECサイト構築のデメリット

一方、オープンソースパッケージでのECサイト構築のデメリットは、実現したいデザインや機能をある程度自由に盛り込むことができる反面、カスタマイズを行うためにはオープンソースパッケージの中身とECサイト構築について理解している企業に依頼をする必要があり、構築費用の面でもコストが必要となります。

また、基本機能のままで使う場合であっても、オープンソースパッケージを動かすためのサーバを用意して運用保守を行う必要があり、オープンソースパッケージで障害が発生したり、セキュリティ面で問題が発生した場合のためにも、対応できる技術者を保守要員として「無償」で提供されている代わりに用意をしておく必要があります。

有償パッケージ

有償パッケージは、各社パッケージ・ベンダーがECサイトの構築・運用に必要だと思う機能を用意し、開発から保守運用までを有償で提供しているECのシステムです。

パッケージ・ベンダーは常にバージョンアップを行い、新たな機能追加を常に続けていますので、多彩な機能がパッケージの中に既に用意されており、用意されていない機能についても柔軟なカスタマイズが可能で、デザイン面の自由度も高くなっています。

有償パッケージでのECサイト構築のメリット

有償パッケージでのECサイト構築のメリットは、大抵オープンソースパッケージよりも基本機能の部分で多機能なものが多く、必要なものがそこに含まれるている場合には、オープンソースパッケージよりも安くECサイト構築ができる可能性があります。

また、オープンソースパッケージのようにある程度のカスタマイズの自由度を持ちながら、システム保守は開発したパッケージ・ベンダーが行いますので、オープンソースパッケージのように自己責任で対応をしなければいけないという事はないため、自社内で保守の人員が確保できない企業にとっては安心して使える点も挙げられます。

有償パッケージでのECサイト構築のデメリット

一方、有償パッケージでのECサイト構築のデメリットは、高機能なパッケージであるために、ライセンス費や保守費、動作するサーバといった環境のコストはかなり高額となるのが一般的で、カスタマイズを行う場合にも対応できるベンダーが限られたり、内容によってはかなり高額になるケースがある上、要件定義から構築・運用までにはかなり時間がかかるのが一般的です。

フルスクラッチ

フルスクラッチとは、オープンソースや有償パッケージを使わず、一からECサイトを構築する手法です。

フルスクラッチでのECサイト構築のメリット

フルスクラッチでのECサイト構築のメリットは、全く一からの構築となるため、必要となる機能やデザインだけでなく、画面遷移や決済手段などを、やりたいと思った事はほぼ全て実現することができ、様々なシステムとの連携も全て受け入れる事が可能です。

また、膨大なアクセスが想定される事態に対しても、最初から想定した形で設計ができますので、理論的にはどういった要件でも対応することが可能となります。

フルスクラッチでのECサイト構築のデメリット

一方、フルスクラッチでのECサイト構築のデメリットは、リプレースでない限りは何もない状態からの構築となるため、構築期間が長くなり、それに伴い構築費用も高くなる傾向があります。

さらに、ASPやオープンソースパッケージ、有償パッケージによるECサイト構築では、開発ベンダーの良し悪しによって品質がかなり変わってきますが、フルスクラッチの場合には業務フローの策定なども含めた構築コンサルティングから要件定義をきっちり行なって、途中での仕様変更ができるだけ発生しない状態で構築まで進めていく必要があります。

そのため、コンサルティングから要件定義、設計、開発での経験が豊富なベンダーを選ぶために、より慎重なベンダー選定が重要となります。

ECサイトの構築・運用を踏まえた設計が重要

以上のように、5つのECサイト構築方法とそれぞれのメリット・デメリットを上げてきました。

この5つの選択を簡単にまとめると、Amazon出品サービスでは「商品を販売することに特化する」ことに注力し、ASPでは、「ECサイトの構築・運用を理解して次にどう繋げるか?」を考え、初期導入コストをかけて行なって行くオープンソース以降では、「ECサイトの構築・運用をやってきて次に何を重視するのか?」が導入サービス決定のポイントとなります。

これは、ECサイトの構築は単なるスタートでしかなく、商品を販売して売上をあげ続ける運用が本当の目的であり、運用を踏まえたシステム選定と設計が大変重要だからです。

新規立ち上げやECの経験がない場合はAmazon出品サービスやASPから

ここから考えると、売上が少ない場合や新規事業、ECの構築・運用ノウハウがない場合は、まずAmazon出品サービスで商品を飯場してみたり、導入・運用コストが低価格で機能がある程度揃っているASPを選択するのがおすすめですし、足りない機能についてはシステム開発ではなく業務フローで対応する事を意識する必要があります。

これは予算のかけられないECサイトのスタート時点では、予想で必要な機能要件を決めるのではなく、実際の運用の中で問題点を洗い出していって将来的なシステム導入に備える、という形が合理的だからです。

業務フローで対応できなくなった段階で次の選択へ

ECサイトをASPで運営する中で売上が増え、取り扱い商品点数や顧客数、販売件数が膨大になってきたり、社内業務フローが複雑になって効率が悪くなってきた場合には、次の選択に進む段階と考えるべきです。

その段階で、オープンソースパッケージや有償パッケージ、フルスクラッチからの選択となりますが、ASPで洗い出した課題を解決し、売上を増やすためには何を重視するかを検討する事によって、この次の選択は大きく変わります。

さらに、オープンソースパッケージや有償パッケージを選択する場合には、足りない機能を全てカスタマイズする前提で考えるよりも、ASPを使っていた時と同じように、デフォルト機能でどこまでできるのかを考え、必要な部分のみをカスタマイズする方向で考える方が、導入期間もコスト面もメリットが大きい事を理解しておきましょう。

オープンソースパッケージや有償パッケージ、フルスクラッチは自由度が高いため、すぐにカスタマイズの方向に走りがちですが、ECサイトは商品を販売する事が目的であり、カスタマイズをしたからと言って大きく売上が上がることがないからです。

常に、「自社の商品をユーザーに売るためには何が必要なのか?」を考えて、必要要件を決めるようにすれば、システム選定での失敗は最小限に抑えられるはずです。

オープンソースパッケージや有償パッケージ、フルスクラッチ選択における注意点

実際にオープンソースパッケージや有償パッケージ、フルスクラッチでのECサイト構築を行うにあたっては、必要となる予算や期間が大きく変わってきます。

そのために、まずはECサイト構築の目的や事業規模、運用予算、達成目標といったポイントをもとに、ECサイト事業における事業戦略を立案して、それに見合った予算を確保し、そこから開発手法を選択する必要があります。

システムの減価償却としては約5年から7年が一般的とされていますし、システムの利用実態から行くと5年程度で事業規模や業務フローの問題などで見直しが入るのが当然です。

そのため、おのずとその事業戦略内容と想定されるロードバマップによって取るべき開発手法も決まってきます。

リソース・シェアリングでは、ECサイトおよび越境ECのコンサルティングから構築・運用・解析まで、長年に渡る経験からワンストップでご提供しております。

ASPからフルスクラッチまで対応が可能ですので、ECサイトの構築・運用でお悩みの際にはぜひお声がけください。

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